用意する物
ハードウェア
必ず必要なもの
Garmin社製GPS、
Garmin eTrex Garmin Foretrex
またはNMEA出力可能なGPS
Holux M-241 Position GPS-52D CanMore GT-720F
GPSユニットが必要です。私は eTrex LegendForetrex 101M-241(Bluetooth)GPS-52DGT-720F にて動作確認しています。

【備考1】NMEAデバイスを使用する場合は、NMEA-0183のGGA/RMCセンテンスが出力でき、 かつ出力ボーレートが9600/38400/57600/115200 bpsのいずれかである必要があります。 (Bluetooth GPSを使用する場合は、任意のボーレートで動作します。)

【備考2】NMEAデバイスを使用した場合、上昇率(垂直方向速度)はパラナビが計算しますが、 上昇率を直接取得できるGarminバイナリ出力のデバイスに比べてバリオの精度が低くなりがちです。 (特に、補足衛星数が少ない時に衛星が切り替わると上昇率が乱れます) このため、バリオやL/Dの精度を求める場合はGarminの方が良さそうです。

【備考3】GPS-52Dは組み込み型モジュールですが、サイズは26x31x10mmと大きいため GBAに内蔵するのは難しそうです。私はダイソーの歩数計を加工して外付けにしました。

※GPS-52Dの電源をGBAから取るとGPS用の電池が不要になりますが、 GBAの動作時間は8時間程度とGPS-52D未接続時の約1/3 になります。動作時間を重視する方は普通のGPSを使ったほうが良いでしょう。

【備考4】GT-720Fは、添付されていた仕様では電源:3.8V-8Vと記載されていましたが、GBAのVDD(3.5V)でも動作するようです。 また、仕様上ではNCの5,6番ピンはTTL-IN、TTL-OUTとなっているため、 これらにGBAのSO,SIの2本(とVDD,GNDの計4本)を接続するだけでナビが動作します。 なお、このGPSもモジュール型のため、100円ショップで入手した防犯ブザーのケース(左の写真)に入れて使っています。
GPS-52Dと比べて消費電流が多いですが、受信感度は非常に高く、3〜4時間のフライトには丁度良いです。

ゲームボーイアドバンス(GBA)
GBAは中古で大量に出回っており、安く入手できます。また、GBAの後継である GBA SP でも動作します。GBA SPはGBAより高価ですが、夕暮れ頃に記録したログを確認する場合は ライト付のGBA SPの方が見やすいでしょう。 またGBA SPは折りたためるため、持ち運び時にLCDを保護できるメリットもあります。
GBA SPの欠点は、イヤホンジャックが専用コネクタのため、 一般の3.5mmプラグをそのまま使えない点です。 また、このコネクタはGC-GBA用接続ケーブルを取り付けると塞がれてしまうため、 GC-GBA用接続ケーブルでGPSと接続し、かつイヤホンも使いたい場合は、 イヤホン用の改造が必要になります。

なお NDS でもソフトは動作しますが、NDSには通信用の拡張コネクタが無いため 本体を改造しないとGPSとケーブル接続できません。

任天堂からGAMEBOY micro(仮称)という、 丈夫なメタルボディで、eTrexより一回り小さく重量も軽い、ナビにピッタリの新機種が発表されました。 この装置でも問題無く使えるでしょう。
⇒発売後、デバッグ用にと譲り受けた装置で動作確認済です。 (コネクタはミクロ専用なので要注意)

⇒快晴の空で使ってみると、透過型LCDのためイマイチ見づらい…。 パラには反射型LCDの初代GBAかSPの方が良いかも。
・GBA用接続ケーブル
GC用GBAケーブ
GBA-GBC変換ケーブル
接続ケーブルは、GPS接続用に改造するので、GBA用のコネクタが付いていれば何でも良いです。 GCとGBAを接続するGBAケーブルが ロック機構付きでお奨めです。 ほかにも改造し易そうなGBA-GBC変換ケーブルがあり、これはコネクタから全線が出ているため デバッグ用に便利です。これはGPS-52D等の直結可能なGPS用のケーブルとして使えます。 GBA SPを使用しておりイヤホンフォンも接続したい場合も、イヤホンジャックを塞がない GBA-GBC変換ケーブルの方が良いかもしれません。

ゲームボーイミクロを使用する場合は、通信コネクタがGBAやSPのコネクタと互換性がないため、 ゲームボーイミクロ専用 通信ケーブルを改造します。

・ケーブル改造セット
- GPS用コネクタ
- NOT(74HC04)+抵抗
(or ドライバレシーバ)
- 他、ドライバ、半田等

謝辞:このサイト の情報でドライバレシーバの簡略化ができました。

IC等はパーツ屋さんで入手します。
※GC-GBAケーブルのコネクタ部にIC(74HC04)を埋め込む場合は、SOPタイプ(5個入り\100程)にしましょう。 DIPだと大きすぎてコネクタに収まりません!

【注意】新しいGPSを使用する場合は、簡易回路ではなくレベルコンバータを使いましょう!

GPSコネクタは、eTrexならe2Plug(\500)がネットで調達できます。

あると便利なもの
・GBA用カートリッジ

RAM動作のみの場合はカートリッジが無くても動作します
GC用ヒカルの碁3 におまけで入っているジョイキャリーカートリッジを使用すると、
・フライトログの保存
・タスクログの保存
・トラックログの保存
・ルート/ウェイポイントの保存
・コンフィグの保存
・カートリッジからのパラナビの実行
ができるようになります。 GC用ヒカルの碁3はGBA本体に比べて入手性が低いので、ネットかゲーム専門店で調達すると良いでしょう。

※GC用ヒカルの碁3はゲームキューブ用ソフトなので、 お店で探すときにはゲームキューブ用コーナーを探してください。 ゲームボーイコーナーでヒカルの碁3を探しても、恐らくヒカルの碁2しか見つかりません。 ただし、おまけのジョイキャリーカートリッジのみをGBA用ソフトとして販売していることがあり、 この場合はゲームボーイコーナー(とかセール用のカゴとか)に置いてあります。

ブートケーブル
ブートケーブルがあれば、パソコンからカートリッジにパラナビのプログラムを転送することができます。 また、トラックログのデータを、カートリッジからパソコンへ高速転送することが可能です。
・パソコン接続ケーブル
ブートケーブルを持っていない場合は、シリアル接続のパソコン接続ケーブル(回路はGPS接続と同じ)を使用して、 トラックログをGBAからパソコンに転送することができます。 (シリアル接続のため、USBブートケーブルより転送時間がかかります) 
なお、GPSとGBAを接続するGBA用接続ケーブルはナビ用に所有していると思いますので、 GPSのコネクタからDSUBコネクタへ変換する簡易ケーブルを作っても良いでしょう。
(上図はミクロ用。クリップが強いとetrex側コネクタのピンを傷める可能性あり…)

Foretrexは、入手が容易な汎用の2.5mmプラグを利用できるため、簡単に接続コネクタ を用意できます。

ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル 通信ケーブルがあれば、2台のGBAを接続してカートリッジを複製することができます。
・ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル(改)クロスケーブル ケーブルを改造してクロスケーブルを作成することで、2台のGBAを接続して ルート/ウェイポイントを転送することができます。

【ケーブルの改造】
ルート/ウェイポイントの転送は、対PC用のGPSエミュレーション機能を使用しており、 この機能にてGBA同士が通信するためにはSIとSO信号がクロスした通信ケーブル が必要です。 しかし、ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブルは下図のようにクロスしていません。

 Big(灰)       中間コネクタ     Small(青)
 6.GND───────GND─┬─────6.GND
 2.SI ──────────┐└*1───2.SI
 3.SO ────*2 SO └──────3.SO
 4.SD ───────SD────────4.SD
 5.SC ───────SC────────5.SC
   (ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル)
このため、ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブルの*1切断して Small側の2.SIを*2のSOにつなげる必要があります。(SDも切断すべき)
なお、カートリッジ複製時のケーブルは標準のゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル が必要なため、これら通信を同一のケーブルで行いたい場合は、 *1をGNDと*2へ切り替えるスイッチを付けると良いでしょう。
・スピーカー 音声ナビを使う場合は、外付けのスピーカーかヘッドフォンを用意すると良いでしょう。 GBA内蔵スピーカの音量は小さいので、フライト中は風きり音でナビがほとんど聞こえません…。
・風速計 パラナビはGBAのSC信号(5番pin)のパルス間隔から風速を計算しています。 SC信号は内部でプルアップされているため、SC信号をOPENとGNDに切り替える風速計を 作成することで、アネモメータ(風速計)モードが動作するようになります。 パルス幅から風速へ変換するための変換係数はパラナビの[コンフィグ]メニューから 設定できます。 (風速計は風速に比例してパルスが発生するように設計してください。)
風速計のタイプは風速測定に適した風杯式が良いと思いますが、フライト時は基本的には 正面から風が流れるため、正面固定の簡易ファンでもそれなりに使えるでしょう。 ただ、簡易すぎると突風やスパイラル時の風圧に耐えられない可能性がありますので ご注意ください。
・Bluetoothモジュール
(Parani-ESD 100/110/200/210)
Bluetoothモジュールを組み込む(*1)と、Bluetooth GPSやPCと無線で接続できるようになります。 パラナビ用のBluetoothモジュールとしては、小型・ 省電力 ・アンテナ付でTELEC等の国内認証取得済みの Parani-ESD200 が最適です。(コンパクトでモジュールをGBAに内蔵できます!)
Bluetooth GPSと接続する場合は、次の手順で操作します。

1. Bluetooth GPSの電源を投入し、SPPスレーブの待ち受けに設定 (大抵のGPSは初期設定のままでOK)
2. パラナビの[コンフィグ]-[Ext.デバイス]-[Bluetooth]-[モード]から"P-ESD 115K"を選択 (*2)
3. [BTサーチ]を実行してリスト表示された近傍デバイスから、GPSを選択
4. [PINコード]にGPSの取説に記載されている接続PINを入力 (大抵"0000"か"1234")
5. [ペアリング]を実行してGPSと接続

Bluetooth GPSとのペアリングに成功すると、一度通信を切断して、ペアリングしたGPSへ 自動的に再接続するモードに切り替わります。これにより、GBAの電源をOFF/ONしても Bluetoothメニューの操作なしにペアリングしたGPSに自動接続するようになります。
PCにも上記手順で接続可能ですが、PCは通常ではSPPスレーブの待ち受けに設定されていない(*3)ため、 パラナビ側をSPPスレーブとして動作させる[PCまちうけ](*4)を実行し、PCから接続する方が簡単です。
2台のBluetooth内蔵のGBA同士を無線接続してルートデータ等を交換する場合は、 片方を[PCまちうけ]に設定し、もう片方から[ペアリング]して接続した後、 クロスケーブ接続時と同様の操作でデータ交換を行います。

*1: GBA-ParaniESD間の接続は、VDD-VDD/RST、SI-TXD、SO-RXD、GND-GND/CTS (RTS,DCDはオープン) です。 結線の詳細はチップメーカサイトのUser manual を参考にしてください。
Parani-ESD200はコネクタ接続端子を削ると3mmの薄さになるため、GBAに組み込むのは容易です。 空きスペースの少ないGBA SPの場合は組み込む場所に悩みますが、電池ケースの裏が良いかもしれません。 (電池裏の右側のICは左側のICより1mm程低いため、右側のICの上に絶縁処理したPrani-ESDを積み、 さらにロアカバーのモールドを切り抜くと3mmの空間が確保できます。) 電池ケース裏に組み込むとチップアンテナが電池と基板に挟まれるため受信感度は落ちますが、 パラではGPSをハーネス周辺(1m以内)に取り付けるため、実用上は問題にはならないと思います。 念のため、配線をチップアンテナからできるだけ離しておくと良いでしょう。
本体を改造したくない場合や受信感度を上げたい場合は、GBA-GBC変換ケーブルを使用して モジュールを外付けにすることもできます。 もちろん改造は自己責任で…。

GBA SPメイン基板 GBA SPに組み込み

*2: 最後の"115K"はGBAとParani-ESD間のシリアル通信のボーレートで、 "115K" 以外のボーレートも選択可能です。 "9.6K"が最も消費電流が少ないため(115Kに比べて1〜2mA減)、 運用時間を重視する場合は"9.6K"が良いでしょう。 逆に、PCとのデータ通信速度を重視する場合は、"115K"がベストです。
なお、Parani-ESDにはNMEAの1セット分のセンテンス(400byte程度)を保持できる2KBのバッファがあり、 このバッファにより1PPSのGPSの出力はBluetooth SPP上のボーレートに関係なく、 4kbps程度に平均化されます。 このため、SPP上のボーレートが9.6kbpsより早いGPSを使用した場合でも、"9.6K"にてナビが可能です。 (例えば、M-241はSPP上に38.4kbpsでNMEAセンテンスを送出しますが、 "9.6K"、"38.4K"、"57.6K"、"115K"のどれでも通信可能です。)
【注意】
Bluetoothモジュールを外してクロスケーブルに繋ぎ換え、 パラナビ同士で有線通信する場合は、2つのパラナビのボーレートを 合わせる必要があります。 (相手がBluetoothの[モード]を"なし"に設定している場合は9600bpsで通信するため、 自分も "なし" または "P-ESD 9.6K" を選択しておく必要があります。)

*3: 例えば、Windows Vista標準のツールでは、INQ要求応答を許可し、SPPスレーブ用に作成した 仮想COMポートを"オープン"しないと、パラナビから接続ができません。 具体的には、カシミールからルートをダウンロードする場合は、カシミール上で[ダウンロード]を 実行して仮想COMポートがオープンした直後に、パラナビ側で[ペアリング]する必要があります。 ([ペアリング]の操作が遅いとカシミールはタイムアウトして仮想COMポートをクローズしてしまいます!) このため、PCと通信する場合は、操作性の良い[PCまちうけ]モードの使用を推奨します。

*4: [ペアリング]や[PC待ち受け]モードは、GBAの電源を切っても、パラナビを初期化しても保持されます。 Parani-ESDを無通信状態に戻したい場合は、[Bluetooth]メニューの[オフライン]を実行してください。 (または、RSTを1秒以上GNDに落としてParani-ESDを初期化してください。)

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本ソフトウェアは、パラグライダーの競技用途を想定して設計されてい るものであり、原子力施設における核反応制御、航空機自動飛行制御、航空交 通管制、大量輸送システムにおける運行制御、生命維持のための医療用機器、 兵器システムにおけるミサイル発射制御など、極めて高度な安全性が要求され、 仮に当該安全性が確保されない場合、直接生命・身体に対する重大な危険性を 伴う用途(以下「ハイセイフティ用途」という)に使用されるよう設計 されたものではございません。 当該ハイセイフティ用途に要する安全性を確保する措置を施すことなく、本ソ フトウェアを使用しないでください。


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