Tips#2: 風情報の利用
追い風で速度低下?

TIPS#1で風情報を得たので、TIPS#2では風情報を利用する場面を考えてみましょう。 今回はフォロー風について考えます。

■ フォロー風
フォローはテイクオフ前のパイロットにとって憂鬱なものですが、 フライト中(特にクロカン中)のパイロットにとっては対地速度を上げ距離を稼ぐことができる便利な風です。 フォローは、進行方向と平行に吹いていれば風が強いほど対地速度も上がりますが、 風向が進行方向とずれている場合(斜め後ろから風が来る場合)は風に流されないように偏流飛行する 必要があり、対地速度は低下します。 ここで、具体的な速度の低下量を改めて確認してみましょう。

■ 対地速度の変化
・Vp: グライダの大気速度
・Aw: 進行方向と風向との角度
・Vw: 風速
・Vg: 対地速度

Fig1
風速の変化で対地速度がどのように変化するのか確認してみましょう。 ここでグラフの横軸にVw(風速)、縦方向にVg(対地速度)を表示してみます。

Vg = Vw * cos(Aw) + sqrt(Vp ^ 2 - (Vw * sin(Aw)) ^ 2)

それではVpを10[m/s]、Awを60[deg]としたサンプル のグラフを見てみましょう。
(つまり大気速度36km/hでフライトするグライダの斜め後ろ60°から風が吹く場合です。)

Fig1
グラフの最初は風速が上がるほど対地速度も上昇していますが、風速6[m]を超えると速度は減少し始め、 風速10[m](通常はこの状態では飛びませんが…)を超えると無風時より対地速度が低下しています。 そして風速11.5[m/s]で進行方向を維持できなくなります。 この速度低下はAwが90°に近くなるほど顕著になり、弱い風速でも対地速度の低下を招きます。

例えば、南西風のときに北へフライトする場合を考えてみましょう。 南成分があるためフォローであり、北方向へは進みやすいと考えがちですが、 西が強くなると(Awが90°に近くなると)思ったほど対地速度を稼ぐことができません。 風情報を得ておけば、アシストメニューから任意方位への予想対地速度が確認できます。


グラフで確認
グラフのカーブ傾向を覚えておくだけでも、強風時の役に立つかもしれません。 下のフォームにパラメータを入力して、対地速度の変化をグラフで確認することができます。
Vp = >0、 Aw = 0≦≦90

(ブラウザ設定でスクリプトを禁止していると、エラーになるかもしれません…)

diary
guestbook
mail

■はじめに
■用意する物
■ケーブルの改造
■ソフトウェアの実行
■ナビ画面の見方
■ツール
■TIPS #1 #2 #3
■FAQ

本ソフトウェアは、パラグライダーの競技用途を想定して設計されてい るものであり、原子力施設における核反応制御、航空機自動飛行制御、航空交 通管制、大量輸送システムにおける運行制御、生命維持のための医療用機器、 兵器システムにおけるミサイル発射制御など、極めて高度な安全性が要求され、 仮に当該安全性が確保されない場合、直接生命・身体に対する重大な危険性を 伴う用途(以下「ハイセイフティ用途」という)に使用されるよう設計 されたものではございません。 当該ハイセイフティ用途に要する安全性を確保する措置を施すことなく、本ソ フトウェアを使用しないでください。

Counter